田村由美「7SEEDS」15巻


(内容に触れてます。白紙の状態で読みたい方はご注意!!!)





感動した・・・!!!!


そして、7・8・9巻を読み返してしまいました。
泣いた・・・!!!!!!!


ふと、7巻を本棚から手にとって、めくって、そのまま、立ったまま読み続けてしまった。
「うー」とか「おーーー!」とか言いながら。
この漫画はどの箇所も本当に面白いけど、7・8・9巻の「夏のAチーム編」は、強烈に面白い。異様な磁場を感じるくらい、特別な感じがする。
だけど、話が進むにつれて、彼らの「事情」すら、相対化されていく。
そこがまた、素晴しく面白い。むしろ、「それこそが」面白い、と言っていいくらい、面白い。
こういう叙述の仕方をする漫画って、実は、あまりないような気がするのだ。
殆どが、主人公を一つの軸として描き、他の価値観はそれに交差するかたちで描かれる。
でも、「7SEEDS」の各人の事情、各チームの事情は、「滅びた未来」という絶対的な境遇の中で、見事に等価になる。
だから、あれほど絶対的に感じられた「夏A」の強烈なエピソードすら、巻が進んでいくにつれて、次第に相対化されていくのだ。花のチームから見たら、安吾は、見事に「おかしな人」だったりする。夏Aのメンバーが私はとても好きなのに、桃太を実験台にしたり、おとりにする姿には、血が凍るような思いがした。
そんな「揺れ」が、始めは辛くもあった。だけどそれが、強烈に面白いということに気づいていった。
この15巻は、そんな面白さが、ぐっと噴き出してきた巻だったと思う。


15巻は、安吾の常軌を逸しぶりに拍車がかかり、見ていて辛い…!
涼の、安吾への親バカぶりもまたすごい。
安吾にはさせられない」って、えーーーっ!??? みたいな。
でも、その愛が、いいのよね。
虹子との実験というのは、つまり、涼が女性には興味がないゆえに、ということだろう。
そして、虹子は、おそらく、誰にもそういう興味関心がないゆえに。
わたし、涼が女性には興味がないということを、要さんや貴士先生は気づいていたと思う。(卯波は絶対ムリ) だけど、なぜ、涼を外さずに、夏のAチームの中に入れたのか。どうしてなんだろう、と、そのことを考えている。そこに、ちょっとでも、救いがあるといいなあ…と。


レイプ未遂のシーンは、会社帰りの地下鉄の中で読んでいて、体中から、ぶわっ、と、汗が吹き出した。
ほんと、嫌だ。
だけど、何回か読み返すと、つまり、安吾は、「花が好き」ってことでファイナルアンサーなのでは?? という気が。
それだけの話だったんじゃないの?? 的な。
それが言葉で把握できないばかりに、また、激昂に支配されて、あの行動。シーン・・・
これだから、血の気の多いバカは困るよね。 なんて、心無いことを言いたくなる。


花は悪くないのに、本当に、かわいそうで見てられない。
顔にブーメランが激突とか、そんな! 胸が痛いよ!
この先の続きも、気になりまくりです。
これからも、安吾に負けないで、がんばってほしい、花!!!!!