赤木さんとひろ、が好きだ。


今日は、赤木さんとひろ、への萌えを「小説」で上げてみる。
むしろ赤木さんへの燃焼…!
頭から、途中までです。
書いてる間に、季節が変わっちゃったのよね……(グス)

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花の季節


 おう、ひろ、と赤木はひろゆきに気づいて、薄く唇で笑った。
「赤木さん!」
 ひろゆきは片手を挙げ、小走りに、赤木に駆け寄った。待ち合わせた公園は見の限り桜の海で、吹く風にも、淡い、薄紅色が移る。二人の間に、温かな空気が揺っている。陽気は初夏のようにのぼせて、風のほてりがじき花も終わりだと告げていた。あと一度風雨がくれば、花はもうあとかたもなくなってしまうだろう。
 赤木は、ひろゆきの手のビニール袋を見て、言った。
「どうした、その袋」
「桜餅買ってきました」
 ひろゆきは、手にした袋を掲げた。
「あと、巻き寿司と、いなり寿司と――いろいろ」
 へえ、と赤木は言った。連れ立って歩き出しながら、ひろゆきはあることに気がつく。前を行く赤木の肩に、さりげなく、歩みを沿わせていきながら訊く。
「赤木さん……甘いもの嫌いでした?」
「いや……。うん……」
 どっちなんだ、と、ひろゆきは、瞬間、生きた気持がしない。赤木の目は、まるで興味がなさそうに、遠くに向けられている。
「まああれは、葉がしょっぱいから、いいな……」
「ですよね……!」
 ひろゆきは力強くうなずく。意味が通っているのか、いないのか、きっと、桜餅は比較的食えると言いたかったのだろうと、無理やり咀嚼する。ちぐはぐな線を手繰り寄せて、つなげる。赤木との了解はいつも、その曖昧なラインの上で結ばれる。
 赤木は、風に、ふうっと紫煙を吐いた。その帯が、ゆるやかにふくらんで後ろへ流れていった。天のアパートへと続く道は、ひろゆきには慣れた道だが、赤木にはおそらく初めてだろう。春の路地には、あちこちに知らない花が咲いていて、どこか、不思議な趣がする。
「用意がいいんだな、ひろは?」
 赤木が、また、ひろゆきの手のビニール袋を見やった。ひろゆきは、反射的に、ポケットに入れられた赤木の左手を見た。この人はいつだって手ぶらだ。そして自分は、いつも、余分な物ばかり提げているような気持がする。でも今日は花見なのだから、せっかくの楽しい計画なのだから、これでいいのだと思った。
 照れ隠しのようにひろゆきは言った。
「俺、昨日けっこう勝ったんですよ、仲間と打って。だから――」
 へえ? と、赤木が、興を得たように笑った。勝負と聞くと、明らかに、この人の反応は変わる。誰よりも乗るか反るかをしてみたい――天が、赤木をそう評したことを思い出す。
「そりゃ、いい」
 唇の端をつりあげるような笑みを刻んで、赤木は、また前に向きなおった。「ええ、まあ……」と頭をかいた後で、ひろゆきは、にわかに不安に陥る。少し前に行った、赤木の肩口を見て思う。この人に、わずかばかりの勝ちの話なんかして。自分は、馬鹿じゃないだろうか、と思う。これまでに勝ってきた桁が、まるで違うっていうのに。不遜だと思われていたらどうしよう、と、ひろゆきはまた動揺にとらわれるのだった。    (途中)

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続き書きたいが… さ、桜が散った…
ひろと赤木さんは、ほんとうにマーベラスですね。大好きです。