同人アンシャン(?)レジーム


私はずっと、「表現」しないと、何かに「参加」できないんだって思ってた。
好きな気持があるから、そこに「参加」したい。その、「そこ」っていうのが、十代始めの頃の私には、「同人誌」の連れてくる世界、その「同人誌」の集積する、「ジャンル」というものだった。
それは「プチ社会」というようなもの。そして、その「社会」は、どっこい民主主義ではなく(笑)、意外と、階級社会。それはもしかして、同属のなかで階級闘争をしたがる、ヒエラルキーを作りがちな、「女子」の同人界だからなのかな、と、ちょっと思う。
(「モテ」のデモンストレーションなんかも、別領域からの、それよね)


で、十五年近く経った今も、実情はそう変わってないのかもしれない。単なる「読者」でイベントに行くのって(しかも一人で)、すごく、所在ないものがあるもの。それは、自分が、士農工商の「農民」であるという…(笑)、その「引け目」に、どっか、関わっているんじゃないのかな。
で、他ジャンルでいちおう「活動」をしていたら、いちおう、「他藩の武士でございますから…」的な(笑)。
そういう、「自分」の保ち方って、ないですか。どうですか。
私はぶっちゃけ、あります(笑)。


だけど、自分でサイトをやったりイベントに出たりしていると、何かを書くのも、書かないのも、その境目ってすごくあいまいで、ものすごく地続きだなと思う。そしてその分、「自分は、このネタなり、このキャラなりについて、書かないではいられないんだな」っていうことを、ただ平たい事実として、実感したりする。
何かを「書く」のは自分の都合であって、それは、それ以上でも以下でもないのなら、書く方も読む方も、ぜんぜん違いはないよね。
だけどどうも、お互いの間は隔たりあっていて、それがちょっともどかしかったりもするのだった。
書き手は書き手同士、読み手は読み手同士、かたまっていて、その境は、なかなか根深いものがあるのかも。
一昔前までは(今も?)、確実にあった、同人の「書き手」「作家さん」に対する信仰なり崇拝というものは、あれはいったいなんだったのだろう。なんなのだろう。

同人界って不思議。
オンラインが広まって、そのへんが中和されたのか、むしろ、もっと強化されていってるのか、双方向が交じり合って展開していってるようで、女子向け同人をめぐる自意識のあり方、その置き場所とか処理の仕方とか、距離のとり方とかって、とってもむずかしいよな・・・ と、個人的には、いち当事者としては、思うのでした。
みんな、そのへんどうなんでしょうか。
(あんまり、口にしたいようなことじゃないのかもしれないけど)


ともあれ、ようやくと一周年で、つぎは良い二周年を迎えられればいいなと、思う次第です。
続けるよ! 照を!!
そして福本もね。