昨晩の「相棒」


見た…





以下、内容に触れていますのでご注意ください。




正直なところ、全く半信半疑でした。「ほんとに卒業するのか…!?」と…!
10時30分過ぎまでまだ疑ってた。
なぜなら、本当に、この流れで、「別れ」が来るとは、全然思えなかったからです。
でも、右京さんと亀山くんが、立ち話でぼちぼちと真相に切り込み始めたので、ようやく観念した。


「右京さん、なんとなく気がついてたみたいだし…」
(注・セリフは、完全に記憶です…!)



ああ、この場面の空気、よかった。
これが「別れ話」でなかったら、どんなによかっただろうと思って見てました。
馴染んだふたりの、尊敬と、なれ合いと、いたわり合いが絶妙に流れていて、涙が出そうになった。

右京さん、もう気がついてたみたいだし… って、へたをしたら、いまやっと愛の告白をするというような打ち解け具合ですよ。そんな情感ある場面だったのに、これが別れを告げる話だなんて、なんと悲しいことだろう、と思った。


今回のシーズンは、すべての前にまず「卒業」があって、そこに無理やり持っていった感がいなめない。
そのために、ひとつひとつの回にも無理が出ていたような気がする。
微妙に流れがゆがみ、いつもの、ぴたりと閉じられた小世界のような、「相棒」のワールドにひたりきれなかったような気がする。
ドラマ「相棒」の味として、軽妙さというのか、人をくったようなユーモアや、テンション、そしてまた泣き笑いのペーソスがあったと思うのだが、今シーズンは「卒業」を意識するあまりか、そのへんがベタッ…と重くなってしまっていて残念だった。


亀山くんの卒業はしかたがない。
ただ、最後までいつもの「相棒」を楽しめなかったことが寂しい。
卒業など意識もさせず、いつものノリで弾けてもらって、
最後3話くらいで「卒業…!唖然!」ってなったほうがまだ良かったような気がする。
もう終幕だっていうのなら、どうせならスカッと満喫したかった。


見る側のみならず、作り手側が「卒業」をやや強く受けすぎてしまったように思う。(局側の宣伝等も含めて。)
私は、「相棒」の浮世離れしたところが好きだったから、最後の最後に現実に付き過ぎてしまったようなところが残念だった。



それから、新春スペシャル(マジか!)だが、亀山卒業後の物語のようだけど、心情としては、「亀山以前」の話にしてほしかった。
亀山薫杉下右京がいて初めて「相棒」なのだから、作品が生まれた経緯も含めて、それは始めからそうだったのだから、亀山薫が去った今、これ以上「相棒」を続けるべきではないと思う。
後を濁さずに、というのは変な言い方だけど、薫ちゃんと右京さんの「相棒」が最高だったのだから、終わるなら、その最高だったまま幕を閉じてほしい。
それが、いちファンの私の願いです。