どうなんでしょうね、ワークシェアリング


只今の「報道ステーション」で、特集してますけども。


仕事を「分かち合う」というと聞こえはいいが、しかして、どうなんでしょうね。
できる業種・職種とそうでないものがあるのは大前提だが、その上で疑問が幾つかある。


まず一つ、今の労働分配率が適切なのか、ということ。正社員といえども賞与で「後出し」をしているような状態で、月々の給与は厳しくて、その上「仕事を分けて給与を減らします」って言われてもね。
まずは、人件費以外の固定費を出来る限りスリムアップして、労働分配率も精査することだと思う。

それから、ワークをシェアリングする前に、今の仕事に本当に無駄はないのかな、ということ。
矛盾した「慣例」のせいで、無為や無理が生じていないかどうか。
テレビでは、「ワークシェアリングは正社員の時間に融通を効かせてくれて、育児とかは助かる」と言っていた人がいたけど、それはそもそも、会社の風土だったり雰囲気だったり、制度の問題だったり、本人の意識によるものだと思う。ワークシェアリング以前に、シェアリングしなくても、育児や介護にはバックアップ体制がなければいけない。それをやらないでいて、企業が「ワークシェアリングで解決されます」などというのは、体のいい人件費削減と問題の先送りだと思う。
1日8時間、下手したら12時間以上会社にいるわけだから、労働者はもっと人間らしい生活を訴求していっていいし、そうでなければ、人生の大きな時間を奪われてしまうことにもなる。
ということで、働きやすい環境づくりはワークシェアリング以前の問題、と思う。

さらに、効率はどうなるんでしょうね、ということ。それから成果主義とどう折り合うのか。
ワークシェアリング」は、「少数精鋭」とは真逆のものだと思う。
それで果たして、労働意欲を維持していけるのか。結局は、より、「二割の働きで八割の利益を担う」の図式を加速させるだけではないか。

ワークシェアリング」は、悪いことばかりではないかもしれないが、その前にやることがあるし、今の状況でそれをやられても、労働者が割りを食うばかりだと思う。
正規雇用者ばかりでなく非正規雇用者の収入も相対的に減るわけなので、ますます、生活が不安定になるともいえる。

そんなことを導入する前に、たとえば、天下りを全廃したらムダな高給や年金や賞与などが減って、人件費大幅削減できるわけだから、それを労働者に還元するなり、市場に循環させるなりしようよ。
それに、派遣会社の中抜き率や、「データ整備費」に類するような不透明な搾取を是正したら、企業もより適正な費用で派遣社員を雇えるようになり、人を増やしたり、長くいてもらったりできるじゃない。


私たちの仕事、ニアイコール収入だけ、「分け合え」って言われるのは、納得いかないよ。