蘭&園子に思う



今作の「名探偵コナン・紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)」は、
「蘭&園子」が熱い映画です。
南洋の孤島「神海島(こうみじま)」を舞台に、その島に伝わる「海賊の秘法伝説」を巡り、「宝探し」が展開していく。
そのなかで、この島に300年前、宝を隠したとされる女性の大海賊「アン&メアリー」の伝説と、現在の「蘭&園子」の絆が、強くクロスオーバーしていくという。
その過程が本当にすごくて、胸がギューッ!と熱くなりました。
テーマは、「背中をまかせられる相棒」!


これで、森井に感動するなって方が、無理って話です。
そうです。これです。私の見たかったものはこれだった。
「ちゃんと、そこに『女子』が居る、全人格的な愛と、情熱とリスペクトの絆、その物語」
これが、私が、飢えて、飢えて、どうしようもなかったもの。「やおい」では、届き得ぬ「女子」の世界。(※これについては、また改めて書きます)
こういう話が、見たかった…!!!!!
まさに、ガールズたちに見てほしい。これを子供の時期に見られたら、ほんとに、幸せだと思う。正直、今のお子達が羨ましいくらいです。きっと、一生レベルの栄養になる映画だと思います。
実際私は、これを見て、ものすごい衝撃と感動を受けた。
体じゅうの血が燃えて震えるような体験でした。
いくつになっても、リスタートの瞬間ってあるんだな…と思った。
そのくらいのインスピレーションがありました


脚本は前作と同じ柏原さんで、本気に、脚本が凄すぎます。 冒頭の20秒で、もう、「神だ…」と思いました。
私などが今更言うことじゃないのですが、
柏原さんは「太陽に吠えろ」や、アニメでは「ルパン三世」など錚々たる作品を手がけられ、そして、「あぶない刑事」などで「相棒(バディ)」をずっと描いてこられた方で、その柏原さんの筆で、今回の「蘭と園子のバディ・アクション」を見られたことは、本当に僥倖だったと思います。
前作の「探偵達の鎮魂歌」のときに、「今回の平次とコナンの間って…なんか、すごく、いいな」って思ってました。距離感が絶妙で、その距離の中にも「通じあってる感」があり、それがとても魅力的で、エロスがあった。「鎮魂歌」を見終えた後で脚本の柏原さんの経歴を知り、「あぶない刑事」を手がけられてたと知って、なるほど…! と、強く、納得させられたのですが。
今作、その叡智が「蘭&園子」のバディにも結集していて、本当に嬉しい思いになった。柏原さんの脚本だったからこそ、こんなに魅力的に描出しえたんだ、と思うし、同時に、ずっと男性の「バディ」を書いてこられた方が、女の子同士の「バディ」をも、こんなに面白く描けてしまうんだ…! というのはひとつの驚きと発見でもありました。


このように、エンタテイメントとして抜群に面白く、さらに、多様な示唆に富む今年のコナン映画でございます。本当、下手な実写より、百万倍面白いと感じる…!
今作のベースとなる「大海賊 アン&メアリ」と、「蘭&園子」の友情をクロスオーバーさせる、というアイディアは、原作の青山剛昌先生発だそうで(※映画パンフレットより)、剛昌先生、どんだけすごいんだ っていう話です。
そこに、山本監督、脚本の柏原さんと、錚々たる叡智が結集し… どんだけすごいんだ、コナン映画!
日本のアニメって、本当に凄いですね。
私が子供の頃は、「ドラえもん映画」で人生を学んだものでした。
もちろん、今の子供たちもそうなんでしょうが、それとは別にもう一線、毎年の「コナン映画」も、「人生を学ぶ映画」の領域に確実に入ってきていると感じます。
あと、まだ見たことはないのですが、「クレヨンしんちゃん」の劇場版も評価が高いですよね。
そして、この連休は、これら2本がいちどきに公開されており…
本当に、ぜいたくですよ、日本のアニメ文化は…!!


GW、「スパイダーマン3」も素晴らしいですが(これも感動した!)、
名探偵コナン・紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)」も、ぜひ…!!!
「棺」が何だったのかが分かった瞬間、感動と号泣とが押し寄せます。まるで海のように。