アルカサル完結編〜前編〜


プリンセスゴールドにて、「アルカサル完結編・前編」一挙100ページ、読みました…!!


せつない!!!


まだ読まれてない方もおられると思うので、今回はネタバレなし感想で。
(でも、「白紙で読みたい!」という向きは、ご注意…!)
まさか、完結編が読めるとは、(信じていたけど)思ってもいなかったアルカサル。
ずっしりと重い「プリンセス・ゴールド」、
「完結編」の前編を手にして、感無量であります。
おお、ペドロ様…! ペドロ様だよ…!!
そして、わが愛するロペスも、出ずっぱり…! 見ていて、本当に嬉しかった。この人たちに再び会えるなんて。
マリア・デ・パデリアや、ペドロ王の子供たち(大好き☆)、ロドリゲスにアラベラ、イネストロサまで、懐かしい顔を目にして胸が熱くなりました。
本編は、ペドロ王の一代記を、この前・後編で完結ということで、かなり駆け足のつくりになっており。
これまでがじっくりとペドロ王を追う描き方だっただけに、その「ざっくり感」が少し残念ではありましたが、そのへんは次回の「後編」でフォローされるようです。
ペドロ王の行く末は歴史が回答しているわけですが・・・
読んでいて、泣けてきた・・・


ペドロ様って、本当に、魅力的な人物だと思うんですよ。
青池保子先生のキャラ造形の特徴かとも思うんですが、全然、「善人」じゃないのね。
エロイカエーベルバッハ少佐とか、伯爵なんかもそうですよね。やっぱり、すっごく「問題あり」。
ことにペドロ様は、中世スペインを統べる王者ということで、苛烈さ、猜疑心の強さ、嫉妬の強さ、もう、相当半端ない。で、同時に、勇猛さ、爽快さ、果敢さ、革新性、どれもずば抜けている。そして、ものすごくエネルギッシュ。生命力に満ち溢れている。
青池先生のペドロ王の描き方は本当に多面的で、奥が深い。分裂しそうで、でも、強烈に「ひとつ」である、「王その人」である、その描き方が本当にすごいと思うんです。
そのペドロ王の物語の完結。読んでいて、じりじりと胸が迫り、涙が出そうになった。
私は本当にこの人が大好きだ、この人たちが、この物語が大好きだ、と、心から思いました。


本当に、アルカサルの完結はもう見れないかもと思っていたから、今、まさに目の当たりにすることができて、本当に嬉しく、幸せに思います。
この、ずっしりと分厚い前編100ページに、先生の魂を感じた。
本当に、先生、男前だっ…! と、思いました。
後編も、めちゃくちゃ楽しみにしております。
そして、全編出揃った暁には、11巻未収録分を含めて、ぜひ、コミックス12巻を…!


ところで、イギリスの、ロンドン塔にある例の「王冠」のルビーって、あれ、ペドロ王が贈ったルビーだったんですね。全然知らなかった…!
その昔、ロンドンに行ったことはあるんですけど、「ちっくしょー、これを知ってから、見に行けばよかったー!」と、悔やむことしきり。当時、ペドロ王の「ペ」の字も知らなかったもんな… 展示のお品書きに、もしかして書いてあったかもしれないのに、キャッチする素養がなかったわけで… おおお、無知が憎い。名作は読んでおくものだな、と、心から思いました。
未読の諸姉諸兄、ぜひ、「アルカサル〜王城〜」を読んでください。
ことに、若い皆さんに読んでもらいたい。
春休みのおともに、ぜひ。豊穣な世界が、貴方の前にひらけること、うけあいです。
青池先生の漫画は、ほんとに、「読む者の世界を広げる漫画」なんだよな。
そこから、もっと先へ先へと、自分で広げていきたくなるんですよ。
作品というのはこうあるべきなんだ、と、本当に、教えられることしきりであります。
「アルカサル〜王城〜」、読んで、絶対に損はないと思いますぞ・・・!(完結もするし!)