化学物質過敏症



今日夜のニュースで特集をやってたのを見ました。
私のとても親しい人もこの病気にかかっているので見ていて辛く、余人には分からないだけに本当に辛いだろうなと思った。
ニュースで取り上げられていた患者さんはかなり症状が重く、化学物質の影響を受けると意識がなくなったり、何日も眠り続けてしまったりするという。
私の親しい人もこの番組を見ていて、話したら、病気の認知度が上がったということ以上に、「自分もいずれはこうなるのかと思って、本当に怖かった」と言われて言葉が出せなくなった。
テレビに出ていた中年の女性の患者さんは、勤めていた工場で長期間化学物質の影響を受けて発症したらしい。私の親しい人も、勤め先でずっと、膨大な数のカラー広告を扱っていて、そのインクに含まれる物質の影響を受けたことが原因している。
仕事をしていて避けることが出来ず、そうなったんだから、労災は効かないんだろうか…
テレビでは、中年の女性の患者さんは病気を理由に勤め先を解雇されたということで、労災の「ろ」の字も出てはこなかった。
しかし、本当にそれでいいのか???
解雇って、あんたの工場に勤めたから病気になったわけで、それなら会社が病気に対して補償をするのは当然の責任だと思うんだけど。


この病気に関して専門に治療している大阪のクリニック(※ふくずみアレルギー科)がテレビに紹介されていたけど、私の親しい人というのはむちゃくちゃ田舎に住んでいて、医療サービスその他の環境はものすごく悪い。ついでに、情報が古い医師も多くて、病院にかかっても。「次々症状が出てくるんですね!」とか言われ「あなたの単なる我がまま」しか受け取ってもらえない。藁をも縋る思いで受診してるのに、ドクハラを受けるという状況。病院を探すのも一苦労で、今のところ、「体に影響する化学物質」をひたすら避けているしかないという。


もうちょっとこの病気が認知されて、たとえば「うつ病」みたいに、ちゃんと「補償すべき症状だ」「配慮すべき病気だ」って、認識されるようになってほしい。
電車の中での香水がまず凶器だという。あとは、ヘアスプレーの臭いとかシャンプーの臭いとか。
「におい」っていうと軽いものみたいだけど、これ、実際は、「物質の微粒子」なんだよね。
そう考えると結構怖いなと思う。
公害の問題とか石綿問題とか、なんでもそうだけど、最初は「偶然」とか「因果関係はない」とか会社は言っておいて、でも、実は、「まさにその会社が使用しているその物質が有害だった」っていうのは、今までも夥しくあった。
じゃあ、本当に、カラー印刷に使っているそのインクは、安全なの? 
その工場で使っていた、その物質は安全だったの?
シックハウス症候群にしたって、家を建てる側が普通に使用していた化学薬品が、実は有害だったわけで。
だけど消費者や、仕事に従事する側は、そういう安全性を実は選べない。
企業のモラルに期待するしかない。
でも実際には、多少問題があったとしても、イケイケで進んでしまうのが日本の企業なり、政府というものだ。だから、ものすごく恐ろしいと思う。
なにかあったら、「やられ損」になってしまう。だけどそういう世の中っていうのはおかしいし、もう2006年になったのだから、儲けとか目先の効率だけじゃなくてもうちょっと人間の体とか、当たり前の安全、長い目で見た「利益」、そういうものに目を向けてもらいたいと思う。誰か一人に現れた症状は、いつ、他の誰に現れるかも分からない。警鐘は鳴り続けているのだから、企業はより高いモラルをもって生産に臨んでほしい。