大和和紀『あさきゆめみし』


面白すぎるんじゃこれ…!
この漫画は小2で読んで以来、うちに全巻あって、何回も何回も何回も(エンドレス)読んできて、もう読みつくしたような気がして実家に置きっぱなしにしていたのですが。
最近にわかに読み返したくなって、急遽、こっちでコミックスを買い集めて、一気に読みました。
いやー……
ほんっっっと、面白いね、これ。今読むと、いっそう、凄さが身にしみる。昔はここまで分かりませんでした。とにかく構成がすごい。大和和紀先生は神だなと思いました。「はいからさん」「NY小町」「ヨコハマ物語」どれもこれもそうだけど、大和和紀先生はストーリーテラーですよね。それが「源氏物語」という古典に対しても、炸裂しておられる様を一気に間のあたりにして、呆然。もっていかれた。原文は「花宴」(※めちゃ最初の方)までしか読んでいませんが、コミックス第一巻のあたりとか原文思い出して、「うわー、あれを、こんなふうに漫画にー!」とかね。
最初の、若き日の桐壺帝が、月の夜に桐壺の更衣に会う場面とかいいですよね… 
はー、もー、たまりま千円… と、陶酔しながら一気読みしましたよ。
柏木死ぬとこではマジ泣き…!!
柏木ー! 切ないんじゃー!!
私、子供の頃には、「あさきゆめみし」で泣いたことってなかったんですけど。今読むと、いたるところで泣けてくるなあ。これは年でしょうか?
六条夫人とかも、昔から好きだったけど、今読むといっそう胸打たれます。源氏の何が六条夫人に対してひどかったのか、ってことが、今はもっとわかる。そうか。これはプライドの問題だったんですね。
今回の発見は明石の上で、昔は今ひとつぴんとこなくて遠い存在だったのですが、明石の上、いいじゃない…(涙) ちい姫と別れるところとかさー… 昔は「ふーん」て感じだったのに今回はボロ泣きでした。
こんなすごい漫画とも気づかずに、自分は、まあ贅沢な子供だったんだなと…
ほんとうに、テキストって不思議で、それ自体は何ひとつ変化していなくても、受け手次第で汲み出されるものにこんなに違いがあるんですね。
昔読んで面白かった漫画とか、やっぱり、手放さないでとっておきたいなと思いました。



そして、今回、「あさきゆめみし」のコミックを買い集めていてショックだったこと…!
B6サイズのコミックスは、すでに、出版社品切れでございます…!!
ガーン! 世に受験古典がある限り、あさきゆめみしはいつでも買えると思ってたわ。
今は、文庫サイズしか作ってないって言うんですよ。
あのう… あさきゆめみしは、やっぱり、B6サイズで読みたいんですが…
ちょっとこう、文庫サイズ、版面せますぎて辛いっていうか…
文庫サイズが出たばっかりのとき、本屋でめくってみたけど、「うっ」ってなって読めなかった。
漫画文庫で色んな漫画が読めるのは嬉しいけど、それでコミックス版がどんどんなくなってしまうのは辛い。
それで、どこの本屋にもなくって、探し回りましたよ。
アニメイト池袋店ありがとう!


ところで、私の手元の、あさきゆめみし1巻の奥付。
1980年11月15日 第1刷発行
2001年7月5日 第90刷発行
すごいですね。