愛しきエゴイスト

鋼の錬金術師」10巻、買いました。
(以下、10巻の内容に触れますよ!)
9巻の引きでもう、ホント「どうしよう!!」って思ってて。10巻は22日までお預けだと思っていたので、ああこのままホークアイ中尉を心配しながら過ごすのか… 辛いぜ… と萎れてただけに、思いがけなく10巻が出てて嬉しかったです。

ちょうど近所のコンビニで思いがけなく見つけて、「おお!」って見入ったんですけど、茶色の帯に、白ヌキで、でかでかと書いてあるのね。


ロイ・マスタング  ラスト!!」


ええっ、マスタング大佐、死ぬの!! って、仰天しましたよ。
予告試合かよと。あれか。ホークアイ中尉をかばって死んじまうのか。
ウ・ワー、それすっごくいいけど、死んじゃうの寂しいなあ!!

そしたら、あれね、じーっと見てみたら、

「焔の錬金術師 ロイ・マスタング VS 人造人間 ラスト !!」 でしたね。

保護色で色々書いてあんの。なんだ、びっくりしたよー。
もう、脳裏にマスタングの「死に花映像」が、駆け抜けていましたよ。よかったー。
あれ、待て、じゃあ、まだホークアイ中尉が無事だとは限らないじゃないか…!!
と、夜のファミマで震える24歳女子でした。われながらどうかと思いました。


さて、10巻の内容ですけども、この巻はマスタング祭りということで宜しいですか。
10巻にして、初めてマスタング氏に心揺すられたというか、呑まれた。「カッチョいい!」と思わされました。
いや、あいつとんでもないね。「キレる子供」ならぬ、キレる大人だね。
VSラスト戦、私としては、「きたきたきたー!」というか、「これくらいやってくんないと、やっぱし!」と思う戦闘シーンで、とてもよかったです。
ラストのアバラを裂いて賢者の石を取り出すあたり、「鬼人!鬼人よ!!」と喚いてしまう闘いぶりで、マスタングの手の賢者の石を核にラストが再生していくくだり、ほんと、「おお!」と思い、興奮しました。あの場面ほんとに好き。やっぱこの作者すごいなあ、と思いました。
で、あと、リザが無事でよかったですエヘ。
でも、ラストに「マスタング死んだ」言われて虚脱状態になるのは、いかがなものかと思いました。こういう反応か…! と、珍しいアレじゃないけど、ちょっと意外。つか不満。一所懸命逃げるよう説得するアルが痛々しく、「おまえ、アルが逃げろっつってんだからさっさと逃げろよ! アル体張ってんだよ!!」と、ホークアイ大好きっ子を棚に上げて青筋立ててしまいました。あの、こういうふうに、敵を前にして虚脱状態になられたりすると、本当に困りますよね。わりと目にしがちなシチュエーションですが、ほんと、迷惑この上ないって思いますよね。なんで?なんでそうなるのかな?悲しむのは生きて脱出してからじゃないの。ホークアイなら、キャラ的に尚更そうなんじゃないの。 …それくらいマスタングが大事だったってことで、ファイナルアンサーですか。腑に落ちなーい。
しかし、あの場面、彼女がほうけている間、アルは本当に大変だったんですよ。むしろ、アルの方が!ラストにザシザシ斬られて! あの血印を壊されちゃったら、アル、最後じゃない。ほんと危なかったよ。ハラハラしました。そして、ホークアイとアルの組み合わせっていいな〜 と開眼しました。マスタングがラストの背後から焔を放ったのを察知して、アルが壁を練成し、ホークアイを後ろ抱きにしてその陰に隠れるのですが(アルかっこいい!)、その「鎧にガッと抱えられてるホークアイの図」がなんともかわいく、鎧のアルの絵的なかわいさともあいまって、なにかとても面白い雰囲気のあるコマで(10巻86頁2コマ目)、そのコマがとても気に入ってしまい、じーっと眺めてました。きょうだいみたいだなあと思って、「勝気な姉さんと、優しいが逞しい弟って感じじゃーん、いいじゃーん」などと思いつつ左ページにいくと、マスタングがバーン!と再登場してるので、思わず、「きゃー! お父さーん!!」と喚声。 …ほんと、私って、何を考えて漫画を読んでるんでしょうか。瞬間、何か、とても幸福な擬似家族妄想が咲き乱れたよ…


思ったんだけど、いいじゃん、マスタングは、全部が落ち着いたら、両腕いっぱいのバラの花を抱えて、ホークアイにプロポーズすればいいじゃん。そんで、アルは、もっと強い錬金術師になるために、マスタングホークアイのもと、修行にうちこめばいいじゃん。そんで、三人で仲良く暮らせばいいじゃん。何年か兄を離れることも必要だって。あ、もう、何も問題なし。 …なんて、わたし的にすっごいドリームなんだけど…!! 楽しいの、限りなく私だけだと思います押忍。




あと、これは物凄く「ええー!?」と思ったんですけど、
大総統がマスタングのことを「優しすぎる」っていうじゃない。
「・・・違うだろー!!」って思いましたよね。
ほんと、あの、「夜神局長、何言っちゃってんの?(眼帯つけて)」って思いましたよね。
(似ていませんか)
「優しすぎる」は違うよね。いや、全く優しくないとかじゃないけど、「優しすぎる」言うのは違うよね。そら、「エゴイスト」なんだろと。彼の場合、「自分がそうしたい」んだろと。で、そういうところがいいんじゃない。エゴイストじゃいかんのかいと。私からするとそれはカッコよさなんだけど、なんですか、それじゃいかんのですか。少年誌的にダメ?
や、ちょっと、局長…じぇねえや、大総統の、部下を見る目を疑っちゃったりなんかして。俺的に、株、二割がたダウンですよ!大総統!
だいたいね、「優しすぎる」という言葉それ自体が、何か、あれだっつうの。常套なのもあるし、気恥ずかしいっつうの。
あれですよ、「優しすぎる」なんて表現が許されるのは、「トニー・トニー・チョッパー」ぐらいなもんですよ。うん、チョッパーなら、許す! でもほら、たとえばウソップだって、あいつものすっごいイイ奴で、疑いようがないし愛してやまないけど、やっぱ「優しすぎる」とか他のキャラに表現されたらさ。なんか、痒いじゃん。何か違う気するじゃん。
もう、「優しすぎる」禁止! とか思うんですが、いかがなものですか。

ところで、大総統が「マスタングに扉を開けさせて見せましょう」とゆってましたけど、そしたら、マスタングも、例の「合掌練成」が出来るようになるんですね。ヤッタ! 主人公に遅れること10巻、大佐パワーアップ! おーカッコいいー、なんて気楽に言ってますけど、実際あけちゃったら大変なことになってそうで、それどころじゃなさそうですよね。扉をあけるということは、人体練成をさせるよう仕向けられるのかな? じゃあそれはやっぱヒューズが絡んできちゃうのかなあ… なんて、ちょっと、ヒューズとのことはそっとしといてあげてほしいな、という気持です。