パワハラ夫人


というのはうちのボスのことなんですけど。
金曜日、会社ですごくいやな目にあって、
今になって何か、じわじわと利いてきて恐ろしく憂鬱になった。
あの人、一体なんなんだろう。
なんというか、枕詞みたいに、「辞めてもらいましょうか?」っていうのやめてほしい。
辞めさすんなら自らの責任できちんと辞めさせればいい。
私は、怒鳴られた中身が辞めさせられるほどの事柄だったとは思ってないし、
多分夫人だって、それはそう思ってんだろう。これで辞めさしたら、ちょっと、不当解雇じゃないかと思う。
つまりそれは、事の深刻さの問題じゃなくて、夫人のムカつき度の問題なんだ。
ヒステリーが爆発して、憤懣やるかたなくて、客観性妥当性は度外視でひたすらそれを叩きつけてきてる。でも、指導・叱責って銘打って来るから、叩きつけられるほうはただ黙って殴られるしかない。何を言ってもこっちの言葉なんか聞こえていない。ただ自分の中にあるものを、こっちにぶちまけたいだけだ。
今、思ったんだけど、これってレイプじゃないのか。
女同士だから?性的なことじゃないから?肉体は接触していないから?
だけどレイプだと思う。こういう蹂躙もあるって思う。


もうあのばあさんの言いなりになるのはやだ。
死ぬほど会社に行きたくない。
次を決めないで辞めてしまうのは一番良くないというし、
私もほんとにそれはそうだと思う。
もうどうなってもいいやっていう気持ちは、踏みとどまらねばならない危険な誘惑だと思う。どうなってもいいわけがない。私の人生だ。
だから、次が決まるまでと思って辞めずにいるけれど、このまま勤め続けて、次を決められるとも思えなくなってきた。何より正直もうしんどい。何か、もう、文字通り辞めさせられてもいいやっていう気持になってきた。どうにでもしろ。小突き回したいなら勝手にすればいい。言いなりにさせて喜んでいればいい。私の心はもう永遠に離れているし、軽蔑以外の何もない。あの人はいったい何が欲しいんだろう。私を怒鳴りつけて、罵倒して、そこに立ってろとか、かと思えば視界から消えろとか、そんなこと言い募って、いったい何がしたいんだろう。あなたは可哀想な人かもしれないが、そんな可哀想さを他人に行使しないでほしい。上司のハケ口にされることも業務のうちなら、面接ではっきりとそう言ってほしかった。もしも業務でないのなら、そんなこと一切しないでほしい。当たり前のことだと思うのに。
私はどうしたらいいんだろう。
何か、最近、ものすごく途方に暮れてしまう。
この常軌を逸した上司の下で、いったい、どうしたらいいんだろう。
辞める以外、どうしようもないというのが絶望的だ。
みすみす仕事を辞めたくはないけど、それなりに楽しい仕事だけど、だから今年中はがんばれるかなとかも思わなくもなかったけど、でもやっぱり辛い。辛すぎる。いくら仕事が楽しくたって、すみません、やっぱりもう無理でした。何か大きなものの許しを求めたい。主(しゅ)を求める気持とはこういうものなのかとようやく分かってきた。一人では負いきれない重荷をゆだね、心の救いを得るということだ。多分。だけど、信徒ではないから、神にはゆだねられない。だれにも預けられない。全部自分ひとりだ。それは虚しいかもしれないが、不遜なことかもしれないが、きっと、すごく、素晴らしいことなんだ。そう思うようにしよう。明日もがんばろう。