胃炎になるのは罪?

話が前後いたしますが、実は、このほど表層性胃炎になりました。
7月末からずっとお腹が痛く、メシが食えず、でも空腹なら空腹で痛く、そんなこんなで3キロくらい痩せ。胃腸薬を飲み続けても効かず、そのうちゼリー飲料しか食えなくなり。これはやばいなーと思っていましたが交代で夏休みをとっている時期で人手が足りなく、仕事が詰まっていたり、土曜は仕事で潰れ、医者に行く機会を逸したりしてました。
そうこうしているうちに、出張明けの月曜の朝、激痛が。
もう辛抱たまりませんので午前中病院に行きました。
(実はジャンプは、日曜に弟からハヤ売りを回してもらったのです。)
あんまし痛くて泣きました。
ほんで診断は、表層性胃炎。
こんな痛いんだから、うっかり胃や十二指腸の壁がいっちゃってるんじゃないか、と心配しましたが、潰瘍はないでしょうという診断で、安心しました。
原因はストレス。
潰瘍でも治すという薬を出してもらい、今回は薬で治るけれど、原因の方が変わらなければいずれまたなると言われました。
幸い処方された薬が素晴らしく効きまして、症状はその夜のうちにビビるほど良くなりました。でも、原因…

原因……。あー、変わるはずないだろうねー…

火を見るより明らかに原因は会社です。
うちの会社ははっきり言って異常な会社です。入った当時、まるで旧家に嫁に来たようだと思いました。姑も凄まじいですが、小姑も相当なものです。夜の八時にいきなり模様替えが始まるような会社です。ありえねえ。
今ホットな話題は、「お中元の梨が腐って姑激怒事件」です。
お中元で頂いた梨を、分けて各自持ち帰ったのですが、姑の「会社にもらったものなんだから、少しは会社で食べなきゃ」という不可思議な信念のもとに、二つほど会社に残したのです。
でも、とてもじゃないですが、仕事の合間に梨を剥いて食う、なんてゆとりは、この会社にはありません。
そんなことしようものなら、姑の「何やってるの? そんなことは、お家でやってくださいよ!」という罵声が飛んできます。そのうえ、「そんな、のんきに食べてる前に、給料分の仕事をちゃんとやってくださいよ! 認識が足りない!」などという話にまで発展してしまうのは目に見えています。(※ノンフィクション)
なので、誰一人、梨を食べる人はいませんでした。そして、いつしか忘れちゃってました。
その梨が、先日、冷蔵庫の中で腐っていたのです!
夜、「頂いた梨でも剥いて食べようかしら〜♪」と思って冷蔵庫を開けた姑は、真っ黒くなった梨を前に激怒しました。「な、なんなのよこれは・・・!!」
さいわい僕はそこに居合わせなかったのですが、運悪く立ち会ってしまったS先輩は、「なんかもう、すっごい疲れた…」と、半分魂が抜けかかった顔で述懐しました。
てなわけで、今後、「いっさいもらい物は持ち帰らせない」令が発布されました。姑いわく「罰です!!」
いや、罰ってアナタ。
実際会社で食ってられないから、腐ったんじゃないですか。だったら、今後全部迅速に持ち帰らせるようにするのが妥当なんじゃないですか? などという、全員が思ったであろう疑問は、おくびにも出してはならないのでした。
そんなわけで、そのとき新たに桃を一箱頂いていたのですが、もう絶対に持ち帰らせないと。
そして、「毎日、一人一個ずつ桃を会社で食え」令が出されました。「罰です!!!」
しかし昼間にそんな桃なんて汁の出るもの食ってる場合じゃありませんので、昨日も、仕事終わっていい加減いい時間になってる頃に、さらに時間延長して僕はおもむろに桃を… 一個ガシガシと食って帰った…
・・・ばかばかしすぎるよ!!! つか、既にギャグでしかないと。
今は、出された薬を十日くらい飲んで随分胃も回復したのでこんなことも出来ますけど、もし、病院に行く前だったらどうなっていたのかと! 怖いよう。しかも、ひとり、糖尿病の先輩がいるんですが。先輩、そのへん大丈夫だったのかなあ。やっぱそのへんを鑑みて、人により事情があるわけですから、食べるよう強制するなんてことは、控えるべきだと私は思うんです。拷問でしかないと。
えーっと、こんなことが、手を変えネタを変えまかり通っている会社なのでございます。
他にもいろいろ、書きつくせないほどトンデモなネタが出てきます。
職業バッシングとか。ボーナス前一ヶ月は超低気圧で、なにかミスすると「これで、ボーナスは消えましたよ!!」と怒鳴られ&連呼されるとか。パソコンが固まると、使ってる人のせいだと言って怒る、とか。

姑は三十年近くこれでやってるもので、もう、今更誰の言うことも真の意味では届きはしないのだと思います。僕が何か言って効力があるくらいなら、もうとっくに改善されているだろうと。
というか、もう、「この会社は最終的には私と合うか合わないかだから、合わないなら、辞めろ」といつも言われています。

えと、長くなってしまいましたが、そんなわけで、原因は会社なのです。

それをね。とても、会社では言えないじゃないですか。
病院が終わって、出社しましたら、夏休みで海外に行っていた先輩が復帰してきてました。
その先輩に「原因はなんなの」言われ。
悩んだ末に「…神経性…だそうで…」ってゆったら、たいした説教されました。
神経性とは何事か、みたいな。
「月曜日にお腹が痛くなるなんて、小学生が学校に行きたくないのと同じだ」と。(※ノンフィクション)
や、先月からずーーーっと痛くって、病院行く機会なかったって、先に言いましたよね先輩? 今日を選んで痛くしたわけじゃないんですが何か。
「土日があったじゃないの」と難詰される。土曜は出張でしたが何か。しかし、先輩は、場所が京都だったというだけで、何か、くつろいできたと思ってるみたいなんですね。
ととと、とんでもねえだ!!!
朝五時半に起きて八時の新幹線に乗って、マジで手がちぎれそうな位荷物持って、昼メシを食う時間もなく、一日仕事していましたが! 家に着いたのは、夜の十一時でしたが!
でも、そんなこと、聞く耳なんか最初から持っていないのでした。
土曜・京都、 日曜・休み という、その記号だけで「=休養はとれているはず」。
ほんで、神経性で胃炎なんて、軟弱だと。
つか、何、胃炎になっちゃってるの?と。
そんな風に言われたわけなのでした。パリーに行ってた人に言われたくないっすね。
というかね… 私はこれを聞いて辞めようと思いました。そこで働く「人」に対して、そのような認識なのかと。先輩の価値観は会社の価値観ですから、(というか、長年かけて、会社(姑)の認識を内面化してきちゃってる)、もう、会社的(姑的)には、もっと強烈にこの論理だろうと。ほんで、もう、諦めきった気持ちになりました。
なんか、じゃあ、私が血を吐いたり、ウィルス性や、腫瘍性の腹痛だったりしたら、良かったわけですか?
なにか、腹痛は腹痛じゃないですか? という気持ちがするんですが。
神経性だろうかなんだろうが、ちゃんと会社に来て、仕事して帰れば、いいんじゃないの?
病院に行って、午前中仕事が出来なかったこと。それが私の罪だというなら理解できる。でもさ。私の、今得ている病までもが、罪なのですか。それってどうだよ。
だったら言わせて頂きますが、そんなふうにして大騒ぎになるから、今の今まで、お腹が痛くても、病院に寄ってから行きたい、とはとても言われなかったんですよ。それでどうしても、どうしても我慢できなくなって病院に行ったら、これですかと。私はあなたみたいに、牛のモツかなんか食べて食あたりして、病院で一日つぶした、なんてこと、一度だってしたことないですよ? ゲテモノくって腹壊す方が、ストレスで胃炎になるより、上等だって言うんか。でもね、驚いたことに、彼女は、本当にそうだと思ってるみたいなんですよね。アンビリーバブル。


ストレスを感じることが、罪なの?
それで、胃炎になるのが、悪いことだというのですか。
だいたい、この人の論理で行けば、心因性の病気になってしまう人は皆、自覚がなく心が弱く、社会的責任感に欠けた軟弱なヤツだということになりますね。それは非常に乱暴で恥ずべき主張なのではないですか。ちょっと傲慢に過ぎるのではないですか。じゃあ、心身症や精神的疾患に悩んでいる、闘っている人の立場は。気持ちは。「私はそういうのが全然体にこないから〜」と言うけど、それは、大変健康な肉体をお持ちなことで、非常結構なことですね。ご両親に感謝なさってくださいね。しかし、みんながみんな、そんな体を持っているわけじゃあない。だいたい、どんな健康な人にだって、ひとつくらいは弱いところや、その人なりの特性があるだろう。自分にそういうのがあるのと、同じように、どうして、人もそれぞれにそうだって思えないのか。自分しか分らない、自分の体の辛いところ。その、如何ともしがたさ。難しさ。そういう辛さは、それぞれに、同じだったり、自分よりもっと酷かったりするって、どうして想像できないのか。
会社のためを思ってゆった、とか言ったって、だめです。私は認めない。
そんな発言をするということ自体が、著しく不見識で、危険だということを、認識してください。そんな言葉を、面と向かって吐ける、その事実自体を私は許すことが出来ない。
とかいって、怒り心頭に来ながらも、「はあ、まあ、どうとってもらってもいいですけどね。そういうのがどこに出るかは、人それぞれなんですから」と言うにとどめて、理路整然と反論することも、糾弾することもしなかった私は、日和ものでございます…… く、悔しい。
だいたいさあ。ストレスだって、積もり積もれば癌になるっつうの。まさか、知らないわけではないでしょう。
ほんと、参るなあこういうの。なんか、胃痛よりも、自分の会社がこういう価値観だってことに、参る。
こういう思想って、ちょっと、ファシズムなんじゃないですか。
私、このたび胃炎になりまして、表層性の胃炎でさえ泣くほど痛いんだから、もっと重い病気だったら、一体どれほど辛いんだろうって思ったよ。痛いのって、本当に、自分の意志とか限界とか関係なく、容赦がない。そんで、痛いのって、本当に心細い。体の調子が悪いのって、びっくりするぐらい心細くて、辛い。私は薬で治せるくらいの症状だったけど、手術とか、長い闘病生活とか、いったいどれだけ苦しいんだろう、って思って非常に怖くなりました。そういうのって、ほんと、本人にしか分らないじゃないの。他人のあずかり知れるところじゃないですよ。それを、軽々しく言ってみたり、あまつさえジャッジしてみたり、本当に、経験と常識と想像力があれば、とても出来ないことじゃないんですか。

なんというか、人と人との結び合わなさというか、価値観の差というか、そんなことまでも思いましたで御座候。
こんなことが心にありまして、なかなかブログ文が書けなかった次第でございます。
は。これが書けてよかったい。


読んでくださる方、いつもどうもありがとうございます。
ポツポツ更新で恐縮ですけども、よろしくお願いいたします。