Sせんぱいと僕

会社のすぐ上のSせんぱい。明日、先輩も一緒に出張行くわけですけども、私が「『デスノート』面白いですよ!」「はっきり言って、日本語読めるのに、読まないなんて損です!もったいないです!」「せんぱい!LがLが!」なんて毎日毎日聞かされてるので、今週半ば、ついに、買って出張帰りの新幹線で読もうという気持ちになってくだすった。
そんな先輩のお言葉。


「じゃあ、私も読むよ!『デスゲーム』!」


先輩。『デスノート』です。


以来、何度「『デスノート』ですよ」といっても、必ず『デスゲーム』っておっしゃる先輩。「デスゲーム」って、そんな、ある意味当たってるけどちょっとラブゲーム髣髴とさせるんで、萌えるんで勘弁してください。でもこの手のスパイラルって嵌ったらそう簡単には抜けられない。そんな、「『デスゲーム』」「先輩、デスノートです」を繰り返す日々が流れていった。そして、出張を明日に控えた今朝。

行きの新幹線で読む書類の確認をした後、先輩が言った。


「でも、帰りは読むんだ!『 Lノート』!!」


・・・せんぱい。最・高・です!!!

Sせんぱいありがとう。『 Lノート』、そんな、ときめきを掻き立てるマジックワードをありがとう。
『 Lノート』、この、どこかリリカルな響きはなんだろう。まるで、女子高生の健康・性生活教育のために県教委あたりが配布しそうなそんなノート。まるで、若いコ向けの頭痛・生理痛止め薬品の名前みたいな「Lノート」。ほら、ちょっと、かばんに入れておきたくなる名前でしょ。痛がってられない今日だから、そうよ、私は「エルノート」。
もうだめだやべえぜ… とビルの谷間のオフィス砂漠で胸を押さえる小娘一匹。
「Lノート、って、どんなノートよ!?」思考が回りまわって止まらない。(続く)