やっぱりそれはだめだよね

先日、夜、某大型書店に行きまして。
そこ、いっつも、いろんな人を呼んでトークセミナーとかやっているんです。
で、その日はキャリアコーディネーターの人が来てて就職関係のトークセッションをやってて。開演時間はとっくに過ぎてたので、もう入れないんだろうなあと思ったけど、ただ一角を仕切っただけの会場だから、まあ声ぐらい聞こえるだろうと思って、ちょこっと行ってみたわけです。
案の定もう入場は出来なさそうで、会自体もだいたい終わりかけてる感じ。で、私は、会場付近の本棚をぐるぐると冷やかしながら、中の声に聞き耳を立てていたわけですよ。仕切りの隙間から除いた限りでは、意外なことに、背広のおじさんたちが多い。おじさんら、ワシより帰宅時間早いんかい! とちょっとムッ、と思ったり。でもおじさんも第二の人生的に大変なのかも… などと思っていると質疑応答の時間になった。
最初にマイクを持った人、声が若い。どうやら男子大学生らしい。「僕は今就職活動中なんですがー」ああ、やっぱり。で、お悩みの内容は、「自己PRが苦手である」と。そうだよねー自己PR難しいよねーもーほんと私も悩んでるー
「自己PR自体に疑問を…」そーよねー分かるわー でも、PRしないと、相手には伝わらないからさー、やっぱり必要なんだよそれは… とか思いつつ聞いていると!


「それで、僕は面接ではいつも、自己PRをしてください、と言われたら、 いやです! と答えていたんですがー(笑)」


うおおおい!!!


いやー、だめだろ、それは。
本当に、こういう人っているんですね。
この手の「勘違い学生」の話は、話に聞いてはいましたけど、接近遭遇は初めてです。
「そうすると、やっぱり受かんなくてー(笑)」
当たり前だ!
彼にしてみたら、ぶぶぶ武勇伝の気持なんだろうけど。会社員となった身でそれを聞いてみると、アンタもう本当に、会社は、採用のためにしっかり時間割いて、プログラム組んでやってるわけだから。そんなのもう、「えっ」っていうより、「お帰りください」の域ですよ。あーん、誰かー。彼に真実を伝えてあげる人はいないの?友達は?親御さんは??
仮に彼が三年生として、いま4月じゃん。もう、いいとこの採用は殆ど終わりかけているわけじゃない。もったいなーい!
で、講師の先生がそれにどう答えるのか、聞いていこうかなとも思ったんですけど。なんかもう脱力しちゃって、ふらふらとその階を離れてしまったのでした。探したい本もあったし… ああ、君よ。せっかく男子と生まれて、女子より有利な就活が出来るというのに、それは、一体どういうことなのだね。そりゃもう、自己PRの類の嫌さって、いったいどうしてこんなに嫌なんだろう?って思うぐらいに、嫌だっていうのはわかるけど。相手が、こっちのことを折角「聞いてくれようとしてる」わけだから、やっぱり、そこはちゃんと、誠意を持ってこちらも答えなくちゃ。採用の側の人だって人間、会社だって、人間の集まりなわけだからさー…
と、思うけれども、そういうことって学生の時分には、言葉では分かるけれども、自分の実感としては、なかなか、分かりにくいものなのかも。私も、会社に入る前は、全然、今ほどは分ってなかったし。そう考えると、あの会社にいて、上司にギャンギャンやっつけられていることも、経験しなかったことに比べたら、よかったということなんでしょうか。ああ、価値を認めようと思うことすら胃に来る!腹立たしい!! まあでも、会社員三周年(以下続刊)したのは、やっぱり、よかったよなと思ったのでした。良かった、と思って、さて、これからどうするかはまた次の話。現実には「まとめ」の後が…