彼方から

ついさっき怒り電がキタ…
2回に分けて延々30分怒鳴られた…
ツラー…

えっと、夜中なんですよ今は。
電話とる前に、三十分くらい弟と電話してたんですけど、
そしたら、「何で繋がらないの! 何でこんな時間まで起きてんの!!」ってキレられた。
…そんなのさあ。
(てか、電話してきて「何でこんな時間まで起きてんの!」ってそれ。)

あの、それは、ミスは私が悪いですよね。
だけど、なんていうの、それはこの時間に電話して怒鳴られなきゃいけないのかな。
いくら指導だっていったって、夜中に電話して延々怒鳴りつけるのって、許されるのかな。なんかおかしいんじゃないかな。
それに、指導だったら、指導だけでいいんじゃないかな。
その方が、指導される方も、「まずかった!気をつけよう!!」って骨身に沁みるんじゃないかな。
なんか、延々、怒鳴りつけられて色んなこと言われて、それで「ちゃんとやろう!」って思える人ってそんなに沢山いるかな。ものすごく優れた人には出来るのかもしれない。ミスはミスだから、どんな叱られ方してもありがたいと思ってがんばろうって。そう思って頑張ってたけど、やっぱり、私にはどうしても無理だよ。私はきっとダメで、甘えていて、怒られて自分を否定されるのが嫌な高慢な若者なんだろう。でも、こういう風にされ続けるのって、本当に嫌で、ここでいま以上頑張ろうなんてカケラも思えない。時々、ボスのいうように、「何事にも好奇心と想像力を抱いて仕事に打ち込む」自分を想像する。どうしてできないんだろうって。でも、「ここで」それをするって考えただけで、もう息が詰まるくらい、嫌で嫌で仕様がなくなる。はっきりそれと分かるくらいにギシッと体が竦んで、そのとき、初めて気がつく。わたしは、本当に、心の底から嫌なんだって。
人にも自分にも茶化したりギャグにしたりしてきたけど、それよりもっと深い部分で、もっとずっと強く、取り返しがつかないほど嫌なんだって。

でもそれ認めてしまうと、もう一日だって行くのが辛くなってしまう。だから家族や友達の力を借りて、愚痴ったり笑ったりして流してきたけれども、正直になってみれば、はっきり言ってもうほとほとうんざりしている。
なにもかも。だって、一番偉い人が、怒って物を振り回して叩いて社員の顔が切れるような会社の、一体どこを興味持ったり愛着持ったりすればいいのか。

もしかしたら、と時々思うけど、自分の中のこの強固な「嫌」という気持を、覆して、心身の硬直を解いて、「仕事を愛して興味関心をもって邁進する」ことは、もしかしたら出来るのかもしれない。一応、不可能はなくてやる気の問題だ、という仮定にたってみれば。過去、そうやっていくつかのことに取り組んできたように、それと同じように、自分を操縦してやってみることはできるのかもしれない。
でも、そうやったとき、自分の中の何か大きなものが砕けて戻らなくなると思う。
それはもしかしたら、自我とか、自己同一性とか、精神の三半規管のようなものなんじゃないかという気がする。
それが失われたり自分で分からなくなってしまったとき、頭がおかしくなったり、正気を失ったりするんじゃないか、そういう部分なんじゃないかという気持がする。
それをなくしたとき、多分私は私でなくなると。
ミスしないよう、自分の責任を果たすべく努力することは出来る。それが至らないのは非常に申し訳がないし、叱られれば、どんな言葉を投げられても、悪い部分は私が悪いし次からは改めなくては、と反省している。
でも、それ以上の、会社への愛情だとか精神だとか忠誠だとか、そんなもの1ミリグラムだって持てない。どんなに求められても、怒鳴りつけられて脅されてもひとカケラだって出てこない。そんなもの強請しないでほしい。それを強要するなら、自分だって少しはそれなりの振る舞いをしてほしい。人に手を上げたり怒鳴り続けたりしないでほしい。それが出来ないなら、人にも、職責を果たす以上の精神性など求めないでほしい。精神までもが職責だというなら、その精神性の発露を侵害しているその行為は、逆に職責を果たしていないということだろう。自分はこのままのやり方を続けるけど、お前は変われ、って言われてもできない。ことに、心のあり方までは無理。
怒鳴りつければ、暴力を振えば人が言うことを聞くようになるって、優れた人間になるって、そんなの、私は絶対違うと思うよ。絶対、その逆だと思うよ。


とても怖いけれど、辞めて次の職場を探さなくては。
こないだ、先輩が顔切ったときに、本当に思ったの。もう絶対だめだって。
・・・ボーナスなしかもな・・・
それだけを楽しみにがんばってきたのに。トホホ…
でもそれもしょうがない。
電話来るかもしれないと思って、始終心が電話に縛られてるような、そんな毎日だったもの。それを思えば、ずうっといいよ。
自分は今、とんでもなく間違った選択をしようとしているのかもしれない、とも思う。違う見方からすれば、いや、しなくても、こんな若くて早くに職を変わるなんて。違った目で見ればもっと、無茶で損なことなのかもしれない。だけど、間違っていても、不利益が生じても、これ以上は無理。
ずっと棚上げにして保留してきたけど、これ以上逃げるわけにはいかない。
本当に、次を探していかなくちゃと思う。